京都の二十四節気・行事

【二十四節気 雨水(うすい)(2/19~3/4頃)】

二十四節気 雨水(うすい)(2/19~3/4頃)

雨水とは、降っていた雪が、雨へと変わり、積った雪が解けが始める頃のこと。山に積った雪もゆっくりと溶け出し、春の雨によって、冬の間固まっていた田畑が潤い出し、草木が春の気配を少しずつ感じさせてくれる季節になってきます。

そして、寒さもゆるみ、冬眠していた動物も活動を始めます。昔から雨水は農耕を始める時期の目安とされてきました。草木に養分を与えてくれるこの時期の雨を「養花雨(ようかう)」と呼んでおり、恵みの雨とされてきました。

同様に 雨水の時期から春先にかけての雨は「甘雨(かんう)」「慈雨(じう)」「催花雨(さいかう」など様々な呼び名があります。春に降る雨が、昔から人々が、自然の恵みに対して、畏敬の念を抱いていることが分かります。また、生活していくうえで、いかに大切なものであるかが分かります。

雨水 初候( 2/18~2/22頃)

土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)

春の雨が大地を潤し始めるころを意味しています。冷たい雪にかわって、暖かい春の雨が降り始める時期で、大地に潤いをあたえる頃です。

「脉」(しょう)とは、「脈」の俗字を意味し、動物の体内で脈を打つかのように、大地が脈を打つように、春に向かっていくことを表現しています。まだ気温も低いため、解けた雪が水に変わり、大地が乾きにくいため「春泥(しゅんでい)」と呼ばれるぬかるみもあります。

寒さもゆるみ、眠っていた動物も目覚めます。また、この頃、雪が解けた頃に咲く、サクラ草科多年草である「雪割草」(ゆきわりそう)は、北陸や、日本海側の地方に分布しています。雪国の春の訪れを感じさせる花として親しまれており、新潟の県花としても指定されています。

雨水 次候 (2/23~2/27頃)

霞始靆(かすみはじめてたなびく)

山々にかかる細かい水滴やちりが空気中に漂うことで、遠くの山や景色がぼやけて見える頃を表しています。こうした冬から春に変わる景色の移り変わりで、山野の情景に趣が出ます。春に出るこうした霧を春霞(はるがすみ)と呼んでいました。

「霧(きり)」、「霞(かすみ)」、「靄(もや)」とそれぞれ似たような言葉があります。春にたちこめるものを「霞」、秋にたちこめるものを「霧」。ちなみに夜は「朧(おぼろ)」などと表現します。季節や昼夜によって、趣ある言葉をうまく昔の人は表現していました。こうして区別し、昔の和歌には多く詠まれていました。

雨水 末候 (2/29~3/4頃)

草木萠動(そうもくめばえいずる)

草木が芽生え始めるころを意味します。冬枯れの野山や木々に、薄緑色の新たな息吹が現れるころ。地面から草が芽を出し始めることを「下萌(したもえ)」「草萌ゆる」とも言います。

春の季節を感じさせる象徴的に表しているのが「下萌」という季語なのです。「下萌や土の裂け目のものの色 炭太祇」という歌のように春を待ちわびていた嬉しさが伝わる歌です。

また「草萌ゆる」は、同じ芽を出し始める意味ではありますが、若い草木が芽吹く勢いなどが伝わってくる季語となっています。また、この季節に降る雨を「木の芽起こし」と言います。

暖かい雨によって木の芽がふくらみ始めるということからそのように呼ばれています。

植物が育ち花を咲かせるためには、雨は大切なもの。その芽が膨らむのに助けるという意味あいからそのような言い方になりました。

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MAKI
京都在住。WEBライターとして仕事をしています。京都のおすすめを日々紹介していきます。